あぐちゃんさんの物置き場

オタク、ブレボを溶かしがち

絶縁DCDCコンバーター とりあえずシミュレート編

制作に至った経緯

ハーフブリッジ回路を作ったのですが(これはまた後記事にします)、駆動するうえでフローティング電源があると非常に便利なんです。内部に電位が動きまくるところがあり、電流の供給が外部からあると動作が安定します(なくても動くけど制約が付きます)。最終的には3つのハーフブリッジを同時に駆動したいので、出力が3系統ある絶縁DCDCコンバーターを作ろうと思いました。欲しい電圧は5~8V程度で、電源は12Vを想定しているので、適当なフルブリッジと16:8:8:8のトランスで降圧します。

わざわざフルブリッジでやるのは、出力からのフィードバックができないため、トランスの巻き数比で出力電圧を調整できるからです。

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お手製トランス 結合?知らない子ですね.....

線材もっと細くすればよかった。


なんもわからん

意気込んだはいいもの、めちゃくちゃ難かしいななんだこれ。絶縁型なめてたわ。なんもわからん。
実際にトランスを巻いてフルブリッジを組んで適当な周波数の電流を流したのですが、案の定一瞬のうちに飽和して電源装置が電流制限をかけてました。飽和しないように周波数を上げて、なんとか1W程度の出力を得ました(あぶない)。インダクタンスはそれなりに確保できてるんでしょうけど、一体どんだけ結合小さいんだ。

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ブレボ上の様子
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1次側の電流の波形 だいたい±500mAくらい

Hブリッジの制御はゲートドライバ組むのめんどくさかったのでPIC16F1823でやっています。ゲートドライバICは高いからね。5V電源はめんどくさかったので5.1Vのツェナーで済ませました。上流は100Ω(定格オーバー)だし小食だからこれでたぶん足りるでしょう。で。



これ、危なくね?

今は電源が電源装置だから良いんですけど、バッテリーをつないだ時の挙動があまりにも不安です。なにせ、いつ飽和するかもわからないコアをギリギリで使っているからです。電源短絡を恐れながら使う回路なんて、FETがいくつ焼けるかわかりません。なので、なんとかして電流を制限する必要がありそうです。現在(4/29)、コロナの影響で部活動が原則禁止で、部室の機材を好き放題使う借りることができない状況です。家でバカスカ電流を流すような回路を扱うのは嫌なので、シミュレータ上でいろいろ試すことにしました。みんなだいすきLTSpiceです。
いろんな昇圧回路を調べたのですが、解決のヒントはあるブログで見つけた400W級昇圧チョッパから得ました。それがこちら。実際に作る回路とは多少異なりますが仕組みは同じです。



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やばくなったら止める。以上。
X1とX2はハーフブリッジで、互い違いに動かしてフルブリッジを作ってます。シャント抵抗がやや大きいのは、小さいのを使おうとしてノイズのせいで痛い目見たことがあるからです。SRラッチとコンパレータはPICのペリフェラルに入ってるのでそれで処理します。入力にローパス入れる必要が出てくるかもしれません。
シミュレータ上の回路はこちら。




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トランスのインダクタンスは適当です。2:1だったらでかすぎなきゃいいです。2次側でいちいちダイオードブリッジを組んでいるのは、2次側にセンタータップがないからです。線材細くすればよかったのに。
参考元の回路は非絶縁のチョッパで、最大電流と最小電流を監視していたのですが、こちらは最大電流のみを監視します。これで電流流しすぎは防げるはず。もっとも、設定した最大電流を流す前にコアが飽和する可能性があるんですけどね。




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青:1次コイル電流
緑:出力電圧

出力にはとりあえず36Ωがつないであります。
とりあえず1次側の電流を2Aに制限することは出来たのですが、2次側の電圧を見てみると5Vギリギリって感じです。まあこれは結合もインダクタンスもよくわかっていないので実際に試さないと何とも言えません。
100kHzで発振してますが、500mA流した時で25kHzくらいだったのでその時より周波数は下がるはずです。おそらくスイッチングも間に合うでしょう。
ただ、この回路はフルブリッジを組むのがすごくめんどくさいです。マイコンも使ってていろいろめんどくさそうなので、ほかの方法も考えてみることにします。



沼った

絶縁DCDCには複数の方法があり、別の方法を試してみたものの、そっちはそちらで沼に嵌ることになりました。趣旨とだいぶずれていきそうなので、また別に書くことにします。つづく。